2017年5月29日、女子プロゴルファーの宮里藍選手が

今シーズン限りでの引退表明会見を行いました。

 

その会見内容を聞いていて

疑問に感じたことがあったのです。


(写真:TBSテレビより)

それは、宮里藍選手が

『モチベーションの維持が難しくなった…』と

語っていたところなんです。

 

まず、コーチの語源は“馬車”で

そこから波及して

『大切な人を、今いるところから、

その人が望むところまで送り届ける』という

動詞としての意味が生まれたことは

前置きとして書いておきます…。

 

ですから、宮里藍選手のコーチは、

彼女の望むところ、

また優勝できる状態へ送り届けることが

役目だったわけです。

 

そこで今までのやり方やテクニカルでは

通用しなくなった(優勝できなくなった)のなら

新たなアプローチ方法を見つけるために

コーチは様々な視点や切り口から

選択肢の創造を手助けしていったりします。

 

でも、彼女のメンタルコーチは

「こういう時期もある」と

選手と“同化”してしまい、

その人が望むところまで送り届けるための

“適応”をしていません。

 

もし自分が宮里藍選手のコーチで、

自分の能力では彼女の更なる能力を

引き出せない(適応できない)と感じたら、

僕だったら『コーチを変えてみては?』という

提案をすると思います。

 

僕は『結果を出すことしか興味がない』し、

自分のパフォーマンスが発揮できない状況下に

自分は長くは立ち止まりたくはないタイプだからです。
(自分を必要としてくれるところで協力したいからね…)

 

少し話を戻して、

箱根駅伝は過去には


(写真:箱根町観光協会公式サイトより)

写真のように伴走車がついていた時代があります。

 

この伴走車がついていた時代に有名なのが、

瀬古利彦選手と恩師・中村清監督の関係。

 

瀬古選手の目標が達成できるように

中村清監督は

早稲田大学の校歌『都の西北』や

応援歌『紺碧の空』を歌って励ましたり、

『ワン、ツー、ワン、ツー』と掛け声を掛けて、

モチベーションを維持させ、

鼓舞させてきました。

 

このようにコーチって

簡単に書くと、選手の伴走をしながら、

目標達成するために様々なアプローチをしたりします。

 

宮里藍選手が勝てなくなって

モチベーションの維持が難しくなったという時期は

優勝している選手との差は

まだそんなにはなく、また優勝できるチャンスは

残っていたというのが僕の見方です。

 

ですが彼女はまた優勝するために

必死に追おうとする姿勢は見せなかった。

 

ここである名言を紹介しますが

『サバイバルとは、今まで生きてきた方法では生き残れない時に、

なおかつ生き残る方法を考えて実行すること。』

(小野田寛郎)

たとえば今週引退した

プロテニスプレーヤー・伊達公子選手は

ツアー復帰後に、

痙攣に悩まされる時期がありました。

 

そんな彼女はアメリカツアー中に

再度痙攣に襲われ

WTAトレーナーとのミーティング前には

明日、日本へ戻ることにしていたのを

急遽、『痙攣の専門家のところで

テストをしてみてはどうか?』と薦められ、

確保していた日本へのフライトをキャンセルして

サウスダゴダというところへ

強行スケジュールを組んで移動して診てもらい

そして痙攣を克服しています。

 

このように伊達公子さんは、

もう年齢的に治るのは無理なんでは?とか

簡単に諦めるわけではなくて、

先ほど挙げた小野田寛郎氏の名言のように、

なおかつ治る方法を見つける努力をしたからこそ

痙攣を克服することができたのです。

 

さて、トップ選手になれば、

夜、一人で脳や身体を休めるために

静かな時間(空間)を持ったりします。

 

宮里藍選手も同様に

そういう空間を持っていました。
(それ自体は問題はないのですが…)

 

でも、優勝していたときの生活リズムを

宮里藍選手は優勝できなくなっても

崩すことをしませんでした。

 

今までのプレーでは勝てなくなった時に、

なおかつ勝てる方法を探して実行するという、

今までの生活リズムを崩してでも

必死で追いかけなければいけない時期に

宮里藍選手は追おうとはしなかったのです。

 

これでは再度優勝するチャンスからは遠ざかります。

 

そこで本人に優勝する気がないのなら

僕は注目して見る必要がないと考え

彼女の活躍を追わないようになりました。

 

今週、伊達公子さん、宮里藍さんという

二人のレジェンドが

それぞれの競技で最後の試合に臨んでいますが、

僕の取り上げ方に差が出るのは、

この二人の“生き方という姿勢”に違いがあり、

僕の好みの差から同等に扱うのが難しいからです…。

 

僕が宮里藍選手の引退表明会見に残った疑問は、

宮里藍選手はメンタルコーチをつけていましたが、

彼女のメンタルコーチは

コーチという肩書で活動はしていますが

コーチという役目ではなかったように

私からは感じられたところでした。

 

最後に、小野田寛郎氏の

サバイバルについての名言を先ほど紹介しましたが、

こういう名言を紹介すると

たとえば伊達公子さんも

まだ治せるドクターを探せば

今週引退しなくても済んだのでは?と

杓子定規に捉えてしまう人がいますが、

まだまだ行ける余裕があるか、もう無理かは

しっかり物事を見てから判断するもので、

状況をしっかり把握せずに

ただ杓子定規的な考えは

持たないようにはしていただきたいです。

最後にそれだけは付け加えておきたかったことです。

広告

広告