昨年、日本のスポーツ界に

センセーショナルな旋風を

巻き起こした一人といえば、

女子プロゴルファーの

渋野日向子選手が挙げられるでしょう。

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ところが、昨年8月に

AIG全英女子オープンを優勝後、

この試合を境にして

低迷してきています…。

 

そこで、彼女に

何が起きているかについて

触れていきたいと思います。

 

まず、昨年のAIG全英女子オープンでの

渋野日向子選手のプレーを

何らかの手段でもう一度

観てもらいたいのですが、

 

あの当時は、

心の底から湧き上がってくる

屈託のない笑顔でしたが、

 

AIG全英女子オープン優勝後、

日本に戻ってからの

渋野日向子選手の表情は、

確かに笑顔は見られてきたのですが、

作り笑いに近い表情でした。

 

ここで同業他社で

児玉光雄氏という方がいて、

よく本も出している方なのですが、

その児玉光雄氏に指導を受けていた一人に、

中村香織選手という

女子プロゴルファーがいて、

競技の第一線から退く、

2年ぐらい前からかな?

最終日優勝争いに加わることもありました。

 

そして優勝争いをしている

中村香織選手の表情がアップで映った際、

異様ともいえる作り笑いをしていて

私は違和感を覚えたのです。

 

それは私が過去に

究極のゾーン体験として、

あのとき確かに時間は止まったというのを

2回ほど経験しているのですが、

そのときあんな笑顔があっただろうか?

 

想い出せる範囲で

思い出してみたのです。

 

やっぱり当時を振り返ると

身体はスムーズに動けた印象はあるのですが、

笑顔は無かったな…と。

 

要するに、結論から言いますと、

身体が自由に動けるように

リラックスしている必要はあるのですが、

笑顔はあっても無くても良いのです。

 

児玉光雄氏の主張は

緊張状態では笑顔は作れず、

リラックスしているときに笑顔は生まれるので、

笑顔の大切さを説いていて、

自分も理論上は納得できたので、

過去には笑顔の大切さを書いてきた時期も

私自身ありましたが、

中村香織選手の作り笑いを見てからは、

笑顔はあっても無くても良し、

但し、ゾーンに入る前段階には

身体がリラックスしている必要があるし、

良いパフォーマンスをするには

リラックス状態が大切というスタンスで

今はいます。

 

たとえば競泳の選手が泳ぎながら

笑いますか?

身体がリラックスしていれば

充分ではありませんか?

というのが私の持論になります。

 

※一応、ここで、

メンタルトレーニングにおける

「リラックス」と「くつろぐ」の違いについても、

再度、軽く触れておきます。

 

たとえば、お風呂に入って

ゆっくり湯船に浸かった後に

何かをやる気にはなかなかなれませんよね!?

 

たとえばコタツに入って

みかんを食べながらテレビを見て家族団らんとしている時に

呼び鈴が鳴って来客が来ても

『あんたが出なさいよ!』

『私はやだよ!お母さんこそ出てよ!』という感じで

くつろいでいるとなかなか動きだせないものですね。

 

たとえば接客業でも

お客さんがいない時や

お客さんと相手をしない時に

くつろいでしまう人は、

お客さんが来ると

『えっ! 来ちゃったの! しょうがないな~』という感じで、

すぐにギアを入れることができません。

こういう状態を

メンタルトレーニングでは「くつろぐ」と表現し、

 

「リラックス」は

身体に余分な力が入っていない状態で、

いつでもギアを上げたければ

上げられる状態で、

ゾーンに入る前段階には

身体がリラックスしているのです。

 

今日の本題は違いますので、

簡単ですが触れてみました。

 

さて、TBSテレビ系列で

放送されていた『消えた天才』、

2019年8月25日の放送回では、

今から遡ること約20年、

体操界にも笑顔を武器に

14歳で体操日本一に輝いた

大畠佑紀さんのエピソードが登場しました。

 

そして、この大畠佑紀さんが当時味わった経験は、

今、正に渋野日向子選手の身に起きていると

言えるのです。

 

14歳で日本一になった当時のことを

スタッフさんが大畠佑紀さんへ

「全日本選手権で優勝できると思っていましたか?」と

問いかけてみると、

『自分では(優勝できると)思っていなかったです。

だけど、私は優勝する、しないと言うよりも、

これ楽しいと思ってやっていた記憶は

凄く残っています。』

大畠佑紀さん談

(TBSテレビ「消えた天才」より引用)

優勝の喜びより

体操を楽しくできたという記憶が

強かった大畠佑紀さん。

 

再現VTRで、

毎日通っていた体操クラブでのエピソードでは、

大畠佑紀さん『宙返りはできるから、

今日はひねりを入れてみよっかな』

 

ザキヤマさん『そんな感覚なんだ。

遊びの延長なんだね…。』

 

渋野日向子選手も

昨年のAIG全英女子オープンを獲るまでは、

試合中は

努力の成果の発表会みたいな気分で

楽しんでプレイしていたのでは!?

と、思ったりもしています。

 

話を戻して、

天才・大畠佑紀さんの体操人生が

日本一を境に転落の一途を辿ることになったのは、

『それまで、ただ単純に

楽しくやっていた体操が、

目標が誰かに勝つことに

変わっていったと思います。』

大畠佑紀さん談

(TBSテレビ「消えた天才」より引用)

不調に陥った原因は

体操に対する気持ちの変化、

これまでの楽しむ体操から、

勝つ体操へ心境が変化したため、

笑顔も消え、結果も低迷。

『それまでは、ずっと、

何か楽しく(体操を)やってて、

その結果が全部、

後からついてきた感じが

してたんですけど、

1回(日本一を)獲ると、

勝つことが全てみたいな感じになっちゃって、

いま考えるとあんまり楽しくなかったんだろうなっていうのは

凄く思います。』

大畠佑紀さん談

(TBSテレビ「消えた天才」より引用)

「天才・大畠佑紀さんが消えた理由は、

14歳で体操を楽しむ気持ちを

捨てざるを得なかったことで

本来の演技ができなくなってしまったから」

と番組内では結論付けています。

(TBSテレビ「消えた天才」より引用)

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さて、昨年、5月のJLPGAツアー公式戦

「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」で

優勝したときに

渋野日向子選手は『令和初のメジャーチャンピオンが

私で良いのでしょうか?』という謙虚さがありました。

 

ところがAIG全英女子オープンを制した後に、

凱旋帰国後の試合で

予選落ちしたときに

「まだまだだな…と思った」とか、

 

別の試合後の談話では

「(明日は)ビッグスコアを出す」とか、

 

今までの謙虚さは影を潜め、

大口を叩く選手へ変貌してきたように思えます。

 

さて、大畠佑紀さんは軌道修正できずに

18歳という若さで残念ながら

競技人生を終えてしまったのですが、

 

渋野日向子選手は

まだまだ取り返せるチャンスは十分あるので、

また以前のようにゴルフが楽しめれば、

予想ができないぐらい活躍しそうな

実力は秘めているように

私には感じられます。

 

今日は、結果の出ていた思考と違えば、

結果もまた違う結果になってしまいやすいことを

書いてみました。

 

たぶん渋野日向子選手は、

AIG全英女子オープン後も

テクニカルやフィジカルは

もっとアップしていると思いますので、

メンタルが改善できればというところです。

 

☆YOU CAN DO IT☆

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