はじめに

今日は『原因追究、分析能力が劣る日本』を

テーマに書いていこうと思います。

『ダッカ日航機ハイジャック事件』は日本の成功事例か?

たとえば『ダッカ日航機ハイジャック事件』、

この事件、一人の犠牲者も出さず、

人質を全員無事に救出させていたので、

私の中では成功事例として捉えていました。

 

みなさんの中にも

私と同じように捉えている方も

多いのではないでしょうか!?

 

ところが私は、

テレビ朝日系列で2015年3月29日に放送された

『世紀の瞬間&未解決事件スペシャル』で

この事件の詳細を知ったときに、

この事件は日本の成功事例ではない、

と思ったのです。

 

なぜ僕がそういう気持ちになったのかと言いますと、

この事件、犯行グループが日本人だから

たまたま人質を全員無事に救出できただけで、

犯行グループが外国人だったら、

あの交渉のプロセスでは

犠牲者が出ていたと僕には感じられたからです。

 

たとえば「ISILによる日本人拘束事件

交渉期限を過ぎたら

私たちにとっては悲しい出来事ですが、

人質となった方々は殺害されています。

 

それは何故かというと、

犯人は「我々は強い決意を持って臨んでいる」という

強い意志を見せるためです。

 

ですから、ダッカ日航機ハイジャック事件は、

犯行グループがたまたま日本人だったから

人質を全員無事に救出できただけで、

犯行グループが外国人で

日本がこのとき行った交渉のやり方で臨んでたら、

犠牲者は出ていたと私は見ています。

 

ところが今でも

成功事例として

みなさんの記憶に残っているのは

何故でしょうか?

 

無事終わった、終わったで

終わりにしているからではないでしょうか!?

 

アメリカとの違い

1989年に『ユナイテッド航空232便不時着事故』という

事故がアメリカで起きています。

 

この事故の詳細についても

過去にあるテレビ局が特集番組内で扱ったのですが、

その放送内で

事故機の残骸を回収して

組み立て直したところ、

事故の主因と思われるファン・ディスクだけが

見つかりませんでした。

 

そこで国家運輸安全委員会を中心にした事故調査チームは

ブラックボックスのデータから

事故が発生した地点を逆算で割り出しました。

 

ところが、その事故原因が発生したと想定された場所は

あたり一面、広大なとうもろこし畑だったのです。

 

そこでヘリコプターを低空飛行させたりして

ファン・ディスクを探したのですが

どうしても見つからない。

 

そしてこの放送を見ていたときに

何となく日本人ならここら辺で

やるだけのことはやったのですが

見つかりませんでした…、で

終わりそうなタイミングだったのですが、

日本航空123便墜落事故で

相模湾を一回も探すことがなかった日本ですし)

アメリカは違ったのです。

 

今度は懸賞金を賭けてファン・ディスクを

探すことにしたのです。

 

そしてとうもろこしの収穫期に

ファン・ディスクが見つかって、

分析した結果、

決定的なある欠陥を見つけ、

改善に繋げています。

 

このアメリカの執念で原因を探し出す姿勢って

日本には欠落している部分だなと

私が強く感じた瞬間でした。

 

そしてアメリカは、

多少の失敗はあることだし、

その多少の失敗については寛容なんですが、

再発防止に徹底的に取り組むからこそ、

その多少の失敗についてアメリカ国民は

寛容になれるのではないか…、と

僕なりに感じてきているのです。

 

さて、ここで日本航空123便墜落事故については

1978年に起きた同機のしりもち事故の修理が

不適切であったことが起因と言われています。

 

そこであるテレビ番組が

いろいろ調べた結果

修理の際に用いた結合板が

手順書では1枚のところ、

実際には2枚にカットされていたことが

判明されました。

 

そしてもっと真相を追究しようと

アメリカ側に修理に携わった人の名簿を求め、

インタビューを試みようとしたのですが

アメリカ側に拒否されました。

 

確かその理由が

アメリカは責任者の追及よりも

再発防止に重点を置いている、

というようなニュアンスだったと思います。

 

確かに責任の所在を明らかにすることも

重要ですが、

日本の場合、すぐに犯人探しになったり、

責任を求める傾向が

非常に強い感じがします。

 

しかし、たとえば一緒に働く仲間が

責任追及を迫られそうになったら

日本人はどういう行動に出るでしょうか?

 

仲間を庇ったり、お茶を濁して

終わらせようとしたりしませんか?

 

もし、これが再発防止を優先するとしたら、

もっと真相を話す人が

増えるのではないでしょうか!?

 

日本は同じような失敗の

現象が何回も繰り返されるのは

こういう日米の違いがあるのかもしれません。

 

映画『ハドソン川の奇跡』を観て感じたこと

映画『ハドソン川の奇跡
USエアウェイズ1549便不時着水事故

一人の犠牲者も出さず奇跡の生還劇で

終わったと思われていたのですが、

映画を観るとそうではなかった…。

 

クルーが誤った判断をして

乗客を危険な目に遭わせたり、

わざと機体をダメにさせたという疑惑も

持たれたりしていたそうです。

 

この映画を観たときに

あらゆる角度から

物事を調査していく姿勢や、

 

たとえば日本の場合ですと、

初めに結論ありきで

自分たちのストーリーに合った情報を好んで集め、

都合の悪い情報は隠したりするのに比べると、

アメリカの公聴会や国家運輸安全委員会(NTSB)は

非常に中立性が保たれていて

日米のレベルの違いを痛感した瞬間でした。

 

さて、スポーツの現場においては…

たとえばスポーツで言うと、

ソチ・オリンピックで

断トツだった金メダル候補、高梨沙羅選手は

なぜメダルさえも獲れなかったのか?

 

同じソチ・オリンピックで

金メダルは難しくても

メダルが獲れる可能性が高かった

浅田真央選手がメダルを逃した。

 

これについて原因を追究しようとしない。

だから同じような失敗を

日本のスポーツ界は繰り返すのです。

 

アメリカは追跡調査もする

また日米の違いとして、

アメリカはこういう環境で育った人間が

5年後、10年後、どのような人間に育っていくかと

長い年月をかけて追跡調査をしたりして

次世代に役立てたりしています。

 

ところが日本は、

たとえば小学校の運動会の徒競走で

順位をつけられるのを嫌った親が抗議して

一緒に手をつないでゴールする、

なんてシーンがあったりしましたが、

たとえばこういう教育を受けた子どもたちが

その後どのような人間形成になっていったか

日本の場合、追跡調査している感じを受けません。

 

こう考えると、

アメリカのようにしっかりした国に比べると

日本って“行き当たりばったり”のように

私には感じられてしまうのです。

 

最後に

日本が失敗を繰り返さない国になるには

しっかりとした原因追究や

分析能力を高めないと!と

私は思うのです。


(写真はイメージです)

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