はじめに

まず、日本男子サッカー代表の件については

今年3月26日に

『日本男子サッカーの現状は“ゆで蛙”状態だ…』という

ブログを書いています⇒こちら

 

もし、お読みでない方は

そちらも合わせてお読みくださいませ。

2010年の南アフリカW杯前と似ている!?

よく最近、2010年の南アフリカワールドカップ前と

状況が似ていると言われますが、

私は似て非なるものと感じています。

 

まず、あの当時は

オシム監督時代に負荷トレーニングに励んできた

財産がありましたし、

岡田武史監督時代も

ベスト4を目標に掲げていたので、

それなりに練習や準備もしてきました。

でも、その持っている実力が上手く機能していなく、

(たとえば本田圭佑選手と中村俊輔選手、

どちらも優れた選手なのですが、

二人が同時にピッチに立つと上手く機能しないなど…)

試合に反映されてこなかったので

下馬評の評価も低かっただけです。

 

今回も直前の評価が低いので

同じ状況だと言っていますが、

では『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』という

映画の1シーンをご紹介しましょう。

宗像『確かに艦(ふね)の建造能力は我が国の4.5倍。
飛行機は6倍、車は100倍。
石油に至っては700倍。
日本の一年分の消費量をわずか半日で生産する
国力で言えばアメリカは今、日本の十倍でしょう』

五十六『正しいご認識だ』

宗像『しかし日露戦役では、同じ国力十倍のロシアに勝ったではないですか』

五十六『当時のロシアは革命の最中でした。
故になんとかあの一戦の勝利をもって講和に持ちこめた。
だが今や戦は国をかけての総力戦です。
どちらかが焦土と化すまで終わりませんよ』

※映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』より引用

この例からも分かるように、

あのときも出来たんだから

今回も出来ると、

しっかりとした分析もせず

安易な発想に陥ると地獄を見ることになります。

 

では、前回のブラジルワールドカップのときに

個の差が顕著に表れてきましたが、

今年、先日行われましたスイス戦を見ても分かるように

多くの国民が個の差を感じるようになったということは

乖離が激しくなっているのではないでしょうか!?

 

だから私は2010年の状況とは

似て非なるものと見ています。

 

それと長谷部誠選手が

2ヶ月あれば何とかなる的な発言もしたようですが、

それは“負の成功体験”でしかならない。

 

“負の成功体験”という言葉を

僕が初めて耳にしたのは

自動車運転免許の更新でビデオを見たときで、

 

例題は忘れてしまったのですが、

たとえば、車を運転中、人通りも少ない

一旦停止のところを止まらなくても

事故は起きなかった。

 

ちょっとアルコールが入ってしまったけど、

家は目と鼻の先だから車を運転して帰った。

そして事故も起きなかった。

 

人間とは学習する動物で、

上記に挙げたような

“負の成功体験”の積み重ねで

自分に都合の良いことは記憶しやすく、

また「今度も大丈夫」と繰り返した先に、

それが大事故、高い代償へつながってしまうという話が

ありました。

 

長谷部誠選手の2ヶ月あれば的な発言は

正にそれ!

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一流選手ほど練習している

では、今度は、2010年10月に行われた

MLB、リーグ優勝決定シリーズのときの記事から

引用させていただきます。

上原が見た

一生追いつけない…

尋常じゃない練習量

ごめんなさい。

9回は眠気に勝てませんでした。

2-0でレンジャーズがリードして迎えた9回表、

ヤンキースのリリーフ陣が連打を食らって一挙6点。

で、ZZZ…。

8回まで122球を投げている

レンジャーズの先発・リーが、

2点リードのままなら9回も続投かぁ。

なんて想像しながら

緊迫していた試合を

見てたはずだったんだけど…。

 

ヤンキース打線も粘ってはいた。

でも、リーが結局、

8回を2安打。

今日は本当に100点満点の投球だった。

 

右打者へ外のカットボールが効果的に決まってた。

やられた打者は

次はそれを待つようになるけど、

今度は内角にズバッと速球。

そこに、どろんちょカーブが入る。

 

的を絞れないというより、

どの球も一級品だった。

制球もよくて何も言うことナシ。

打てなくて当たり前の内容でした。

 

シーズンでは3年連続200イニング以上投げ、

ポストシーズンはこの2年間で負けナシの

7連勝を挙げる人には、

やはりそれなりの“裏”があるんです。

 

すごい選手に出会うと、

どんな練習してんだろ?って

聞きたくなるもんだけど、

実はシーズン中にちょっとしたチャンスがあって、

リーに先発登板間隔中の

練習メニューを見せてもらったんですよ。

 

たまげた。

あんなの無理。

できないよ。

 

僕の練習なんてね、

比べものにならない。

走る量だって僕の倍以上だし、

マッサージのケアも尋常じゃない。

 

まねするわけじゃないけど、

すごい人と同じ練習をこなせないわけだから、

そのすごい人に一生追いつくワケがない。

 

一流選手ほど練習しているわけよ。

(以下、後略)

 

(上原浩治=オリオールズ投手)

※スポーツ報知2010年10月20日号紙面より引用

というように、

世界の一流という選手ほど

表では『何もしてないよ』と涼しい顔をしているけど

裏では負荷トレーニングに励んでいるわけです。

 

そしてインターネットが普及する以前は

本当に一部のトップアスリートだけが

知り得て持っていた情報が、

現代社会においてはインターネットが普及したおかげで、

どうすれば活路を見出せるか

道に迷っていた選手も、

自分も頑張れば出来るんじゃね?と

頑張り始めているのが現状です。

 

サッカーのアジア予選も

昔ほど簡単に勝てなくなってきたのを見ても

お分かりのように…。

 

そして2018ワールドカップ・ロシア大会が始まって

サッカー強豪国と言われる国が

苦戦するほど世界のスポーツは

レベルアップしているのが現状でしょう!

ハリルホジッチ監督の功罪

日本は2014ブラジルワールドカップ後、

個の強化の必要性を認識しスタートしました。

 

ここは私も肯ける部分です。

 

ただ、たとえば

組織力(連動性):個の割合で、

ブラジルワールドカップまでが

たとえば9:1だったとしましょう。

 

それを個の強化をせずに

いきなり極端に

組織力(連動性)を捨てて個だけでやれば

無理が生じます。

 

『急発進、急ブレーキ、事故の元』

という交通標語が確かあったと思いますが、

“急”という行動変化には危険が伴います。

特に変化に弱い日本人には…。

 

ですから、たとえば

組織力(連動性):個の割合を

9:1だったのを

負荷トレーニングを積みながら

7:3

5:5

3:7…と

徐々に占める割合を変えていく指導法だったら

選手からの反発も少なかったのでは…、と

僕は思うんです。

普通、指導法って段階を踏んでいくものですから…。

 

でもハリルホジッチ氏は

組織力を捨てて

いきなり個だけで勝負しようとしました。

 

そしてイビチャ・オシム氏のように

豊富な強化、負荷トレーニングを持ち合わせていない

ハリルホジッチ氏がいきなり試合で選手に個を求めても

選手が躊躇するのは当然といえば当然の話です。

 

そして今までの日本は個で劣る部分を

組織力、連動性でカバーしてきました。

 

さらにボールポゼッション(ボール保持率)で

精神的に自分たちが優位に進めているという

精神安定剤が無いと自信が持てないのが

日本のサッカーだったのです。

 

その今まで頼ってきた部分は封印しておきながら、

負荷トレーニングの乏しいハリルホジッチ氏の指導法は

正に日本のオールドスクールとも言うべき

根性で乗り切れタイプだったのではないでしょうか!?

 

これでは選手から反発が出るのも当然です。

 

選手としてみれば

どうしたら個が強化できるかが

分からないから個が強化できないわけで、

その強化、負荷トレーニングメニューを渡すのが

指導者の役目だったと僕は思うのですが…。

(もちろん、指導者からメニューをもらうという

受け身の姿勢だけではなくて、

選手自身が自らメニューを探すことも必要ですが…)

 

そして現・日本サッカー協会会長の

田嶋幸三氏はハリルホジッチ氏に

解任を伝える際、

サッカー協会としても分析した結果、

このまま個による縦に速いサッカーだけに固執したら

ロシアワールドカップでは日本は戦えない。

そこで組織力、連動性も加味しながら戦うスタイルを

受け入れてくれるなら

このまま監督を継続して欲しい。

 

しかし、個による縦に速いサッカーだけに固執するのだったら

残念だが監督を解任する、

という選択肢はあって良かったのではと思うんです。

 

で、僕を始め、多くのサッカー関係者も

個による縦に速いサッカーだけでは無理と発言し、

しかしハリルホジッチ氏はそれを受け入れず

頑なに個による縦に速いサッカーだけに固執しているように

外からは感じていたからこそ、

僕は監督を変えるべきと発言してきましたが、

実情はハリルホジッチ氏の会見で明らかになったように、

西野朗氏を始めとした日本サッカー協会からは

何もハリルホジッチ氏へは伝えられていなかった。

これでは話になりません。

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『コップ半分の水の話』の罠

物事の見方をコップの水に例えて

コップに入った半分の水を見て、

「コップにまだ半分の水が入っている」と捉えるか、

「コップにもう半分しか水が残っていない」と捉えるかで、

その人がポジティブ思考か、ネガティブ思考かというのが

一時期話題となったと思います。

 

で、この例え話の罠は

たとえば「コップにまだ半分も水が残っているじゃないか」

だから今ちょっと飲んでも平気だよと水を飲んでしまい、

「ほら、まだ、コップに1/4も水が残っているじゃないか」と

ポジティブに捉え、そして残りの水の半分を飲む。

「でも、まだ、コップに1/8も水が残っているじゃないか」と

ポジティブに捉えただけで勢いに任せて飲んでしまった結果、

水は無くなってしまったのに

気がついたら次のオアシスまで

まだまだ距離があった。

これがサハラ砂漠だったら死んじゃう話で、

大切なのは、「コップにまだ半分の水が入っている」と捉えるか、

「コップにもう半分しか水が残っていない」ではなくて、

『コップに半分の水が入っている』という事実。

 

厳密に言うと水が何cc入っているか、

そして次に水を得られるのは

どのタイミングなのかなどの状況判断しながら

行動に移すことが大切です。

 

ただポジティブになれば良いわけではないのです。

 

ところが「コップ半分の水の話」というのが

一人歩きしてしまった結果、

現実や状況判断もできずに

ただ楽観的になれば良いという

本田圭佑選手など勘違いアスリートが続出しているのが

いまの日本スポーツ界の現状で

さすがに僕は疲れてきているのです…。

西野朗暫定監督の指導法について

では今度は西野朗暫定監督について

書いていきたいと思います。

 

ここで何故、西野朗暫定監督と書くかですが、

ハリルホジッチ監督から交代する機会は

何回もあったけど、見送られた。

 

もしもっと早いタイミングで交代していたのなら、

もっと有能な指導者を呼ぶこともできたでしょう。

 

でも2ヶ月前では

もう限られた候補しかいない状況で、

しかも西野朗氏が技術委員長時代、

試合後のハリルホジッチ監督に

「良かったよ」の一言しか言わなかったのは、

心の底ではハリルホジッチ氏に失敗してもらって

自分がワールドカップに監督として立ちたかったのでは!?

と勘繰られてもおかしくない話で、

そもそも論で言えば

ハリルホジッチ監督を解任なら

西野朗氏だって責任を取らなければいけない立場の人を

僕は正式な監督とは認めたくない。

 

だから私は西野朗暫定監督と書くのです。

 

さて、残り2ヶ月で監督交代となり

本来だったら突貫工事に

取り掛からなければいけなかったのですが、

僕からすると

本当に遊び程度に見えるスローペース。

 

まず、私たちコーチは

選手に“同化”するのではなく

“適応”しなければいけません。

 

でも、西野朗暫定監督の行動を見ていると

選手に“同化”しているようにしか思えません。

 

それと


(写真:伊藤守著『コーチングマネジメント』より)

このマトリックス表を見ていただけたら

分かりやすいと思います。

 

西野朗暫定監督が取り組んでいる内容が、

たとえば4年後のワールドカップを目指しますという時期なら

全然OKなんですが、

2ヶ月後にワールドカップが迫ったときに

監督になったのなら

緊急かつ重要な案件であるわけです。

 

この場面ではティーチングや指示、命令系が有効な手段

(コーチングがあらゆる場面で効果を生むわけではないのです)。

 

ですから西野朗暫定監督のやり方を見ていると

『ところでワールドカップっていつやるんだっけ?』と

ツッコミたくなる状況で

これでは間に合わない…。

 

たぶんこれだけの準備しかしていなかったら、

試合では選手はヘビに睨まれたカエル状態になるかもしれません。

試合では息つく暇もないかもしれない

2010年のバンクーバー・オリンピックで

当時の浅田真央選手は

アクセル、ルッツ、ループ、

トーループ、サルコー、フリップと

6種ある3回転ジャンプのうち、

ルッツとサルコーが跳べず、

特に、ルッツは間違った踏み切りを覚えてしまった影響で

そう短時間では直せない状況でした。

 

しかし金メダル有力候補のキム・ヨナ選手を破るために

用意されたプログラムは

(準備不足の影響から)息つく暇もないぐらいの

プログラムでした。

 

いまの日本サッカーも同じような状況で、

海外の国なら一瞬の隙を突かれても

個の力で挽回できたりするのですが、

日本の場合は個でリカバリーするのが難しい現状から、

つねに集中力が試されるわけで、

息つく暇もないぐらい

厳しい戦いとなる可能性は高いです。

先日のパラグアイとの代表戦

先日行われたパラグアイとの代表戦では

勝つことができましたが、

相手からのプレッシャーは

ほとんど感じられない試合でした…。

 

ただ少しだけ明るさがでたのは

乾貴士選手と香川真司選手のシンクロ性。

 

これは以前、リオ五輪のときの情報番組で

田中マルクス闘莉王選手が

オーバーエイジの使い方として、

たとえばセンターバックの選手と

同じクラブでいつもコンビを組んでいる

オーバーエイジの選手を連れてくるとか…、

と言っていましたが、

確かに短期間で結果を出すには

息の合った者同士を出した方が

リズムは合う感じがしますね。

 

と同じように

乾貴士選手と香川真司選手のシンクロ性は

使えると思います。

 

ただ香川真司選手の場合、

結局はメンタルの不安定さを

メンタルトレーニングで克服しようとせず、

フィジカルやテクニックで

カバーしようとしているのが不安材料です。

 

これはソチ五輪で、僕から言わせると

メンタル面で合格点が出なかった羽生結弦選手が、

次のシーズンまでにどういう準備をしてくるか

僕としては注目していたのですが、

メンタル面の不安定さをフィジカルやテクニックで

カバーしようとした結果、

余計な部分に気を取られなくてはいけなくなって、

その結果、練習中に衝突事故が起きてしまいましたが、

同じように香川真司選手も怪我を負う危険性はあるので

十分注意が必要な選手ではあります。

プロなら結果を出して黙らせろ!

今回のワールドカップ代表メンバーが決まったときに、

ネット上では「年功序列ジャパン」と揶揄されたことに対し、

長友佑都選手は反論したそうですが、

 

たとえば東北楽天ゴールデンイーグルス時代の

田中将大選手は

シーズン無敗で迎えた日本シリーズで

当然ファンは第一戦で投げるだろうと思っていました。

 

ところが田中将大選手は

第二戦を希望しました。

 

野球ファンからすると『えっ!?』という状況で、

もしあのとき、不甲斐ない投球でもしたら

大バッシング問題に発展したでしょう。

 

でも田中将大選手は結果を出して

周囲の雑音を黙らせましたね…。

 

長友佑都選手に言いたいのは

プロだったら結果を出して黙らせろ!

と僕は言いたいです。

 

僕だっていろいろ今まで言われてきたけど

一つ一つ結果を出して

黙らせてきたんですから…。

出来るんだろ

とにかく今回ワールドカップに出場する日本選手が

自信満々にいろいろ言っているので

僕はドラマ『ブラックペアン』の悪ニノ調で


(写真:TBS公式 YouTubooより)

出来るんだろ?

だったらやれよ!

とだけ言いたいです。

イビチャ・オシム氏

2006年、ワールドカップ・ドイツ大会を終え、

イビチャ・オシム氏が代表監督になった

就任記者会見で、ある記者から

「ワールドカップでの失望をどうとらえ、

どうやって失った自信を取り戻すか?」という質問に対し、

イビチャ・オシム氏は

『楽観的に物事を考えていなければ

失望することはない。

その楽観的なものは

どんな根拠に基づいているのか。

適当な情報しか相手について

持っていなかったのか、

それとも正しい情報を持っていながら

相手を見下したのか、

そのどちらかでしょう。』

 

日本男子サッカーの強化は

むかしと全然変わっていない。

 

さすがに僕は2010年の南アフリカ大会直前から

事あるごとにいろいろ書いてきたけど

さすがに呆れてきたのが現状で

サッカー日本代表をどう変えるのか
オシム監督の手腕と評判と私生活

外野を黙らせるためにW杯ですら
“わざと負ける”

恐らく「W杯本大会で“わざと負けた”ことのある」

唯一のサッカー指導者である。

 

91年にクロアチアが

旧ユーゴスラビアから独立を宣言。

熾烈な民族紛争は一層エスカレートしたが、

その何年も前からオシムは

「代表チーム(86~92年就任)における民族紛争」に

悩まされていた。

 

「記者が現在の分裂した国に分かれ始め、

重圧をかけてきた。

 

各国記者が自分の民族の選手だけを気にする。

醜いものだ」(木村元彦著『オシムの言葉』

集英社インターナショナル刊から抜粋)

 

90年W杯イタリア大会1次リーグ初戦。

強豪西ドイツ(当時)戦でオシムは、

司令塔3人を先発させた。

 

ボスニア人のスシッチ、

セルビア人のストイコビッチ(元名古屋)、

モンテネグロ人のサビチェビッチだ。

 

各国記者が「わが同胞を出せ」と

オシムに脅しをかけてきても、

持論の「ファンタジスタが3人いても勝てない」と

拒み続けた。

 

ところが、突然W杯の大舞台で

3人を先発させた。

 

試合前、「あの3人を同時に使えと

記者も世論もうるさかった。

だから使ってみせた。

 

攻撃的なMFを3人使うとどうなるか。

それを分からせたかった」と話した。

 

結果はどうだったか。

 

守備の負担がMF4人のうちの1人に押し掛かり、

センターDFがフォローしようと動き回り、

守備陣形が崩れた。

 

終わってみれば、1-4の大敗である。

 

試合後、「ようやく分かっただろう。

全員が攻撃的で守る選手がいない。

そんなことではサッカーが成立するはずがない」

(前出『オシムの言葉』から)とコメント。

 

記者も世論も完全に沈黙した。

 

数年後、「わざと負けた」と述懐。

 

サッカー関係者は

「W杯本大会で“負け試合”を敢行するとは」と

仰天した。

 

ともあれ、初戦大敗で周囲を納得させ、

2戦目から思い通りの采配をふるった。

守備能力の低かったサビチェビッチを外し、

マンマークの達人MFサバナゾビッチを投入。

攻守のバランスが良くなり、

コロンビア、UAEに連勝して

決勝トーナメントに進出した。

 

1回戦のスペイン戦は

「技術が高いだけではない。

人も動かし、自分も動ける」(オシム)と評価する

ストイコビッチが大活躍。

準々決勝のアルゼンチン戦では

PK戦の末に敗れたが、

前半32分に退場者を出して

10人になりながら互角の戦いを見せた。

この采配で名声はいよいよ高まった。

(以下、省略)

※日刊ゲンダイ2006年7月26日号より引用

僕としては多くの成功体験を人には経験させたいし、

逆に良くない体験はあまりさせたくないんですが、

日本はペリーの来航や第二次世界大戦の敗戦と

実力差をまざまざと見せつけられないと目が覚めない国なので

今回のワールドカップで負けさせるのもありかな!?

と思っている自分がいます。

(別に日本サッカー協会は僕のクライアントじゃないから)

最後に

日本に勝ち点が生まれるとしたら

対戦相手が、日本は楽勝と

気を抜いたり、油断したときに

勝機は生まれるかもしれないです、

相手次第という感じですね…。

 

とにかく僕はワールドカップ・ドイツ大会で

日本のすべての試合が終わったときに

ピッチ上で倒れ、天を仰いだ中田英寿選手のような状態で、

何言っても目が覚めない日本選手に疲れたわ…という心境にあります。

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