先ほどブログで書いた映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』とともに

キネカ大森という映画館で、

名画座2本立てという企画で

11月3日~9日までの期間で

上映されていたもう1本の映画が

映画『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』。

 

観ていて唖然となる場面が多かったのですが、

とにかく始めに

トーニャ・ハーディング選手の母親が

強烈過ぎて驚きました。

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そしてアメリカ女子フィギュアスケーターで

トーニャ・ハーディング選手が

初めてトリプルアクセルを成功させてから

傲慢さが芽生えてしまうのですが、

ここで紹介したいお話が

【09】本気でがんばる集団の一番になれ

新聞に掲載された自分の記事を眺めてニヤニヤしていると、
監督が話しかけてきて
「何を見てニヤケているんだ」とのぞき込み、
「自分の記事を読んで、そんなに嬉しいのか」と聞く。

「監督、私のことを天才スイマーと書いていますよ」

「バカ、喜ぶな。天才でもなんでもない。
ちょっと本気で泳いだだけだ!
よく考えてみろ。
世の中、そんなに本気で泳いでいる人間なんていやしない」。

確かに、選手登録総数は10万人を超えるといわれる。

「日本選手権で優勝したから10万人の競争率の中で
1番になったように思うかもしれないが、
水泳の大会に出るためには全員、登録費を払う必要があり、
払うと選手登録したことになり、登録すると大会に出られ、
泳いだ記録が公認してもらえる。

選手登録の大半は、夏場だけチョロッと練習して
レースに出ている人達である。

早朝練習のような本気で本物の練習を3年以上継続している選手は、
10万人の中に、ほんのひとにぎりしかいない。

実際に、何人いるか数えてみろ!」

数えてみろと言われても、どうやって数えればよいのか分からないが、
言われてみてなんとなくではあるが、
ほんのひとにぎりであることは確かであると思った。

現実に、温水プールがなければ冬場は泳げない。

当時、高校で温水プールを持っていたのは全国で2校だけ。
公共の温水プールは早朝から開いていない。
今のようにスイミングクラブのない時代である。
当時、山田スイミングなどを入れても、
日本中で実質250人ほどが頑張って泳いでいたぐらいだ。

「数百人いたとしても、その中に男と女がいる。
そして水泳の競技オリンピック種目はバタフライに背泳ぎ、
平泳ぎ、自由形は100mから1500mまであり、競泳26種目である
(現在は、国際水泳連盟が50mプールで40種目公認されている)」

「その250人を26種目で割り算すれば10人。
男子の100m平泳ぎだけを専門に練習している人間は10人足らずなのだ。
だから単にその中で、1番になっただけだ。
天才でも何でもない。そんなことで喜ぶな」

無理やり少なくしたような気もしないではないが、
現実を見せられたようで、少しショックであった。
しかし、これは事実である。

※田口信教著『金メダルの壁―どのようにして金メダリストに育つのか』より引用

このようにアスリートって

すぐ天狗になりやすいので、

指導者が『勝って兜の緒を締めよ』という諺があるように

兜の緒を締める役割を担わないといけないわけです。

8月にブログで書いた

日本人のほとんどが忘れてきた、本当に優れた人が取る行動』にも通じるのですが、

“謙虚さ”はとても大切なことで…。

但し、アスリートの場合、

試合中も謙虚さを出すと解釈されても困るので、

ステージに上がった時、自分が一番上手いと思え。

ステージを降りている時、自分は一番下手だと思え。

(エリック・クラプトン)

という名言を残したエリック・クラプトンさんの言葉が

上手くフィットするのかもしれません。

こういう謙虚さがあれば、

どんどん自分を向上できて

驕りが芽生え難いとも言えるからです。

 

とにかく、トーニャ・ハーディング選手の周りに

こういう諫める指導者がいなかったことが

とても残念でならないです。

 

それと、この映画を観る限りでは

トーニャ・ハーディング選手自身も

ほとんど被害者と言っても過言ではないでしょう。

もしこの映画通りなら

彼女の名誉回復の機会は設けないと

いけないのかもしれませんね…。

とにかく、この映画

一見の価値ありです。

みなさんも機会があれば

ぜひどうぞ。

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