少し前にYouTubeを見ていたときに

偶然に見つけたのが

『【悲運の神童】天才バイオリニスト渡辺茂夫の『劇的すぎる半生』

輝かしい未来から命の淵に…

(1996年8月18日放送「映像90よみがえる調べ」

日本民間放送連盟賞優秀賞受賞)

【MBSドキュメンタリー映像’】』という動画です。

ぜひみなさんもこの動画を

ご覧になっていただきたいのですが、

私はこの動画を観て

当時、世界の一流と言われる誰もが

天才と認めた渡辺茂夫さんの人生に

とても悲しい気持ちになりました。

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さて、日本にコーチングという技法が渡ってから

ティーチング、コーチングという使い分けが

日本でもできるような時代になってきました。

 

そしてティーチング、コーチングともに

メリットやデメリットがあり、

それぞれに扱える領域もあります。

 

今回は簡単にふれていきますが

ティーチングは

知識や経験が足りない人には有効な技法です。

そして教える側が答えを持っていて、

教わる側が答えを教えてもらうという

上下関係で、

コミュニケーションもワンウェイ(一方通行)に

なりがちです。

 

逆にコーチングは

相手が持っている潜在的な能力や可能性を

引き出す技法で

ある一定以上の知識や経験を持っている人たちには

有効な技法であり、

コミュニケーションもインタラクティブ(双方向)になります。

 

さて動画に出てくるイヴァン・ガラミアン教授は、

カーチス音楽院に留学経験がある

ヴァイオリニストの江藤俊哉さんは

カーチスでも教えていたガラミアン氏について、

『自分のやり方に服従しないと

気がすまない人』と動画内でも述べています。

 

またガラミアン氏の指導例として⇒こちら

これを見てもらえれば分かりますが、

まずガラミアン氏自身がデモンストレーションで

ヴァイオリンを弾いていれば

もっと生徒にも伝わりやすいのに、

感覚的なものを言葉だけで指導するやり方は

特に少年には理解することは難しかったと思います。

また少年は緊張していて

伸びやかに身体が使えていない。

これは昭和31年の暮れに

渡辺茂夫さんの演奏を収めたテープが

渡辺季彦さんの元に届き、

それを聴いた季彦さんは

「詰まったような音」

「伸び伸びとした音が出ていない」と

述べていますが、

このベル少年が受けている姿からも

渡辺茂夫さんの演奏が

窮屈な演奏を強いれられていたと

想像できます。

 

私がもし渡辺茂夫さんのパーソナルコーチなら、

世界の一流の音楽家たちが

もうすでに完成されていて完璧と言われていたレベルであり、

作曲家としても非凡な能力があったということは

創造力にも長けていたというところからも、

私ならどういうアプローチをするかというと

世界のトップヴァイオリニストの演奏を見る機会を設けて、

“いいとこどり”という言葉があるように

自分に取り入れられるものがあったら、

取り入れてみるのもありだよ

(取り入れる、取り入れないの決定権は

茂夫さん自身に与える)。

また逆に茂夫さんの演奏を聴かせて、

「あなたが茂夫さんにアドバイスするとしたら

どんなものがある?」と聞いて、

そしてそのアドバイスを茂夫さんが

取り入れる、取り入れないという判断も

茂夫さんに持たせる。

私ならこういうアプローチをしたでしょう。

 

さて、ここで、ご紹介したいエピソードがありまして

TVダイアリー   森田美由紀①

4月から新人アナウンサー研修の

講師の一員になる。

それなりに長くなったNHK生活で

初めての経験だ。

NHK札幌放送局の契約リポーターから、

途中で職員採用された私は

新人研修を知らない。

リポーターも研修無しだった。

 

多くの先輩が短期間に

あれこれ詰め込まれ、

本番になると委縮して

力を出し切れなかったため、

試しに私はぶっつけ本番となったのだ。

 

2週間、

先輩の後につき、

ネタの探し方や取材交渉、

原稿の書き方を学んだ。

 

それ以外は

「普通にしゃべり、

普段の言葉で原稿を書けばいい。

徐々に覚えて」と21年前の4月、

いきなりテレビに登場してしまった。

当時の女性アナの主流、

通る高音を出せねばと、

今より1オクターブ高い裏声で

作文を読むように話すリポーターだった。

 

発声、ニュースの伝え方などは、

その都度、助言を受けた。

あとはビデオを見ながら試行錯誤。

現場も北海道の視聴者も

手探りで学ぶ姿を辛抱強く見守ってくれた。

 

時が流れ、

自分がNHKらしいアナウンサーと言われるのが

不思議な気がする。

(後略)

※2004年2月29日 朝日新聞朝刊より引用

元サッカー選手であり、

日本代表監督も務めた経験もある

イビチャ・オシム氏は

このようなニュアンスの名言を残しています。

『教科書に載った時点で

それはもう古い知識であり、

私たちが欲しいのは

これから教科書に載るものだ』

 

教科書というのは

時代と共に改訂されていきます。

でも1から10まで

教科書に載っていることがすべてと学んだ人は

教科書が出来た時代で止まってしまいます。

 

では時代にマッチした人財を育てるためには

どうしたら良いのでしょうか?

 

そこで私は森田美由紀さんの

エピソードをご紹介したのです。

 

森田美由紀さんが実体験されたのは

松下幸之助さんが経営の要諦について

『任せて任さず』と述べているのですが

それに該当します。

 

森田美由紀さんのエピソードを例に取ると、

絶対に外せない基礎だけは教えて、

あとは任せっぱなしでは無くて、

この人には何をどこまでは任せられるかを

観察しながら状況判断し、

必要に応じてアドバイスをする。

そうすることで

時代に合う人財に育ちやすくなります。

 

相手を信じて任せるには勇気が必要になりますが、

任せないと人は成長しないものです。

私は松下幸之助さんの

任せて任さずが

とても有効な手段として

よく用います。

ご参考までに。

 

では最後に天才ヴァイオリニスト渡辺茂夫さんの

演奏を聴きながら

最後までお読み頂き

ありがとうございました。

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