FIFAワールドカップ2018・ロシア大会は
盛り上がりを見せていますね!
さて、ここで、
なぜハリルホジッチ氏の指導法では選手が委縮し、
西野朗氏の下では選手が伸びやかにプレーできているのか、
ここを考えていかないと
日本はまた同じことの繰り返しになってしまいます。
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ここでヒントを与えてくれる
ある記事を紹介したいと思います。
日本代表に不可欠・サッカー伝道師のブラジル魂
ーノンフィクションライター・田崎健太ー
《大分トリニータ シャムスカ監督(その5)》シャムスカが日本のサッカーを初めて見たのは、
2002年日韓W杯の時だった。
「コンパクトでコンビネーションが良く、
あとスピードがあるサッカーという印象を受けた。
ただし創造性とマリーシア(ずる賢さ)は足りなかったかな。
あれから日本の選手は随分とうまくなった。
腕を使って(相手をガードして)ボールを取られない技術など。
マリーシアも進歩している。
発展途上だが、いい方向に進んでいる」
シャムスカは、ソツのない受け答えを得意としている。
彼の頭の中には日本代表という選択肢もあるだろう。
なので彼の言葉を額面通りに受け取ることはできない。
ともあれ、フランス人のトルシエが率いていた日韓W杯日本代表については、
よく訓練されたチームではあったが、
どこか窮屈な印象を持っていたのは間違いない。
トルシエの後を引き継いだジーコとは、
シャムスカ自身が認めているように
サッカー哲学は似ている。
ジーコは選手に自由を与えて(同時に責任も持たせた)、
肝心のドイツW杯では裏目に出た。
その揺り戻しではないのだろうが、
岡田監督率いる現日本代表は、
再び窮屈なサッカーに戻ろうとしているようにも見える。
もっとも、W杯予選は通過することが第一である。
面白くないが、負けないサッカーを選択するのも理解できる。
大分を大きく躍進させたのは「失敗」があったからだと
シャムスカは考えている。
「ブラジル人は監督の指示を聞かずに、
しばしば自分のやりたいようにサッカーをする。
たとえばCBが前線に飛び出して行き、
カウンター攻撃を受けて失点してしまうことがある。
そこで選手は“どうすればいいのか”を考えるだろう。
日本人の気質は“やってはいけない”という制限を与えると
萎縮してしまう。
時に監督は、失敗してもいいから、
選手に自由を与えなければならない。
そう思っているんだ」
もっとも、敗戦がある程度は許されるクラブチームと
W杯予選では状況が違う。
ただし、制限を与えると「萎縮してしまう」というのは、
シャムスカの指摘通りだろう。
日本のサッカーが今後、もうひとつ階段を上るためには、
リスクを承知の上である程度、
チャレンジを許容する指導者でなければならない。
※日刊ゲンダイ2009年4月16日号より引用
この記事の中でシャムスカ氏が語っているように
日本人は『こうやりなさい』
『こうしてはダメです』と制限が加えられると、
世界に類を見ないほど日本人の良い部分なんですが、
真面目さ、勤勉さ、律儀さ、で
その指示を忠実に守り、実行しようとします。
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でも、その日本人の良き行動特性も
時にはデメリットとなってしまうケースもあるわけです。
たとえばサッカーやテニスなどの競技は
創造性のスポーツとも言われますから、
動物的な反応や
動物的な動きが求められたりもするわけです。
ところが選手を委縮させた状態では
そういうプレーは望めません。
ですから前日本代表監督だったハリルホジッチ氏のように
一から十まで『こうやりなさい』と
制限を加えられると
実力がなかなか発揮できない委縮した状態でのプレーに
なってしまったわけです。
なので今まで何回も私は言ってきましたが
(競技の種類によって程度の差はあるのですが)
イビチャ・オシム氏のように
ディシプリン(discipline)、
サッカー用語にすると、
『共通理解』や『約束事』は作り、
それ以外は自由にプレーさせた方が、
日本選手は伸びやかに
良いパフォーマンスができたりするのです。
最後にシャムスカ氏のように
日本人の行動特性を見抜ける外国人指導者もいれば、
ハリルホジッチ氏のように
約3年間指導しても気づけない外国人指導者もいるわけで、
ですから外国人指導者を連れてきた始めのうちに
日本人の行動特性を伝えておけば
指導期間を最大限有効に使えると私は思うのです。
時代を前に進めるということは
そういうことだと私は思うのですが…。
p.s.僕が監督をハリルホジッチ氏から交代するよう
何回もつぶやいてきた理由は
ハリルホジッチ氏は日本選手の行動特性に気づかず、
委縮させたプレーが続いてきたからですね…。
それと『外国人指導者が日本選手を指導する場合、
始めに理解しておいて欲しいこと…』というタイトルで書いてきましたが、
外国人指導者に限らず
日本人指導者でも、まだまだ選手を委縮させながら
プレーさせている指導者も多く見られるのは
私としては本当に残念な状況です。
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