私は、高校卒業後、

郵便局員として働き、

全逓信労働組合に加入し、

組合活動に参加していた時期も

ありましたので、

私は労働者側の視点から物を言うこともあります。

 

逆に私は郵便局を退職する晩年は、

郵政民営化に耐えうるように、

企業の健全な経営基盤を築くための

トヨタ生産方式を踏襲する

JPS推進室に身を置きましたので、

経営者側の視点から物を言うこともありました。

 

そして、これから書く内容は、

労働者側の視点からも、

経営者側の視点からも書いていきますので

読み手にとっては、

一部不愉快になる部分もあるとは存じますが、

最後までお読み頂けましたら幸いです。

 

さて、まずは、

寝ている議員

罰則科しては

東京都 中学生 14

僕はニュースやSNSなどで

国会で寝ている議員をよく見る。

 

そのたびに

「何のために政治家になったのか。

当選する前はまじめなのに、

当選したら安心しているのか」などと

言ってやりたくなる。

 

政治家になるのは難しいけれど、

いくら何でも

国を良くするためにいる人たちが

寝ているのは、

だめだと思う。

 

特にコロナ禍の今は

懸命に頑張らないと

お金がもらえずにつらく

大変な人がいるのに、

政治家は寝ていても大金がもらえる。

 

しかも、最近は会議中に

ネットショッピングや読書を

している人も出てきている。

元首相や財務大臣も寝ているのだから、

ものすごく驚いた。

 

ほかにも寝ている政治家が

たくさんいるから、

対応が遅いのではないかと

考えてしまう。

 

政治家にも、

寝ると罰則を科すように

なればいいと思う。

 

※東京新聞2021年2月19日朝刊より引用

この記事は、左寄りの人たちが

ツイッターでたくさんリツイートしてきました。

 

さて、今度は、竹中平蔵氏が

朝まで生テレビの番組内において、

「正規雇用と言われるものは

ほとんど首を切れないんですよ。

 

首を切れない社員なんて

雇えないですよ、普通…。

 

それで非正規というのを

だんだんだんだん

増やしていかざるを得なかった。」

竹中平蔵氏

※テレビ朝日系列「朝まで生テレビ」より引用

これ、言っている本質は

同じになるんですが、

分かりますか?

 

前者の中学生の意見を、

国会議員は勤務態度が悪くても、

次の選挙まで首を切れない。

要するに正社員状態になっているから、

寝たりさぼったりし放題で

雇えないですよ、

と言い換えると

竹中平蔵氏の主張と似てくるんです。

 

さて、昭和の世代は終身雇用と言われ、

仕事も生活も安定していました。

 

またプロ野球では複数年契約も

見られるようになりました。

 

でも、経営者側の視点から

言わせてもらえれば、

思うような成績を残してくれない人たちも

多くいたはずです。

 

それは、何故かと言いますと、

日本には価値を自らが高める文化が無いからです。

 

以前書いた『価値を高める努力をしていますか?』という

ブログを読んでいない方は

この機会に併せてどうぞ⇒こちら

 

『人間は苦痛を避け、

快楽に向かう習性』があって、

価値を高める文化がない日本人は

安心感を与えるとサボり出してしまう

傾向が強いです。

 

だから労働者側の落ち度もあると

言えるのでしょう。

 

では、次に、昭和の時代には、

モーレツ社員や企業戦士と言う言葉も

生まれました。

 

彼らは、経営者側が

何もしなくても

モーレツ社員や企業戦士に

なったのでしょうか?

 

さて、ここで紹介したいのは

「松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、

松下電器は人をつくるところです。

あわせて電気器具もつくっております。

こうお答えしなさい」

松下幸之助氏

この松下幸之助氏のお言葉は

かなり有名なお話ですが、

昭和の時代は、このように

企業(経営者側)が手塩に掛けて

人財を育成してきたからこそ、

モーレツ社員や企業戦士が

たくさん生まれたのではないでしょうか?

 

ところが経営が苦しくなってきた日本の企業が、

真っ先にやったのは育成部門を

切り捨てたことではないですか?

 

でも、最初のころは、

企業が育てた社員が多かったため、

育成部門を切っても

そんなに影響がなかったように思えることでも、

長い年月が過ぎると

状況が変わってきているのが現状です。

 

さて、ここで、トヨタ生産方式の中には、

訓練道場というのがあります。

 

訓練道場なんてフレーズを聞くと、

何か気合で作業やれよ!とか

精神論や根性論が叩き込まれる場と

思い込む人もいるかもしれませんが、

それは違いまして、たとえば、

成績がイマイチ伸び悩む社員を呼んで、

 

製造業なら

作業工程通りの正しい作業を行いながら

一番早く作業を終えられる人の映像と、

自分(成績が伸び悩む人)の映像を、

成績が伸び悩む人自身が映像を見比べて、

自分の余分(ムダ)な動作などに気づいてもらって、

早い作業になれるように

育成していったりしています。

 

また、お子さんをお持ちの家庭では

子育てをしていると思いますが、

子育てを放棄したらどうなるでしょうか?

 

と同じように、

やっぱり企業にも育成部門は

必要な部門だったのです。

 

そして、私の以前の職業は

公務員でしたが、

成績が著しく伴わない場合は

公務員だって分限免職があるのです。

 

ですから竹中平蔵氏の

「首を切れない社員なんて

雇えないですよ、普通…。」と言うのなら、

きちんと社員を育成してから言えよ!!!

と育成のスペシャリストである私は思うのであり、

私としては竹中平蔵氏の思考は

そこが欠落していると言えるでしょう。

 

それと竹中平蔵氏の言葉には

愛が感じられないんですよね…。

 

また、

『下足番を命じられたら、

日本一の下足番になってみろ。

そうしたら、

誰も君を下足番にしておかぬ。』

小林一三氏

という名言があるように、

昭和の世代には

頑張った人を救い上げる人たちがいました。

 

ところが、たとえば、

現代社会においては、

派遣社員がどんなに頑張っても、

経営者(雇い主)側は契約の範囲内での作業としか

捉えません。

お仕事ができる人財を

救い上げようとはしません。

 

ですから今の若い人たちは、

「人並程度に働ければ良い」という

逆スパイラルの思考になってきています。

 

なので経営者側から言わせれば

働かない労働者という人たちが、

どんどん増えていった背景には

育成を放棄したツケが回ってきていると

言えるのではないでしょうか!?

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さて、

『リーダーとは「希望を配る人」のことだ。』

ナポレオン・ボナパルト氏

たとえば、むかし、

リコーに勤めている人に

聞いたお話ですが、

『利益3分配』と言って、

企業、株主、社員に

利益を3分配する方針を打ち出して、

業績を伸ばしたという

エピソードを聞いたことがあります。

 

でも、世界的な経済学者である

トマ・ピケティ氏の

『21世紀の資本』という映画を観てからは、

資本側は労働者から搾取することしか考えないのなら、

私は労働者側の味方につこうと思います。

 

但し、今、日本の大きな労働組合組織は

連合(日本労働組合総連合会)になりますが、

連合になる以前には

社会党系の総評(日本労働組合総評議会)と

民社党系の同盟(日本労働組合総同盟)などが

ありました。

 

総評は、たとえば賃上げにしても

自分たちは要求だけをして、

要求が呑めないのなら

ストライキという感じでした。

 

ところが今では、

日本の企業でストライキを打てるほど

強い企業がほとんど無いほど

弱体化した企業ばかりではないでしょうか?

 

そう考えると、以前の同盟のように、

労働者側が経営者の視点にも立って、

これだけ生産性に協力する

(労働力を提供する)代わりに

賃金や労働条件を引き出すしか、

企業側も、労働者側も、

Win-Winの状態にはなれないと

私は考えるのです。

 

そして、昭和の世代は、

労働者側は、たとえば春闘でも、

一致団結して、

労働者側が強い労働組合が

まず先陣を切って経営者側と交渉し、

有利な条件を引き出す。

 

その結果を踏まえて、

そこまで強くない労働組合が

第2陣、第3陣と続いて

「あそこの企業がここまで賃上げしたのだから、

うちもあそこまで上げろとは言わないが…」と言いつつ、

何とか好条件を引き出してきたはずです。

 

ところが労働者側が一致団結しているのに、

企業側は、それぞれの企業が

個別に対応して負けてきていたのを、

企業側もスクラムを組んで

戦うようになり、

 

さらに国鉄分割民営化なんて

今のJR各社の業績を見ても分かるように、

地方路線はどんどん廃線となってきていますが、

それは国鉄分割民営化以前から

分かり切っていたことで、

結局、国鉄分割民営化の最大の目的は

強い国労(国鉄労働組合)潰しだったと言えるのでしょう。

 

そして企業がスクラムを

組み続けている状態で、

労働者側がバラバラな状態で

果たして勝てるのでしょうか?

 

なぜ、昭和の世代、

労働者は労働組合に加入したかと言うと、

一人ひとりでは力が弱くて、

解決できない問題も、

多くの人が結集することで

力を発揮できるメリットがあったから…、

だったのではないでしょうか?

 

では、なぜ、今、労働者は

労働組合に加入しないかと言うと、

高い組合費を払っても、

それに見合う見返りが

期待出来ないからでしょう。

 

さて、長くなってしまいましたが、

竹中平蔵氏の理論に付き合っていると、

企業側も、労働者側も、

Win-Winの状態にはなれないと

私は感じているのです。

 

なぜなら企業が育成を放棄し続ければ、

人並程度に働ければいいという

非正規労働者たちが増えていくことが

今後も想定されるからです。

 

もう一度、企業側も労働者側も

再考してみてはいかがでしょうか?

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