競技は違えど、

ラグビーの平尾誠二選手、サッカーの中田英寿選手は

天才肌を持っていた日本選手と言えよう。

 

そんな平尾誠二選手は1月21日が誕生日、

中田英寿選手は1月22日が誕生日と

今週は2人のバースデーウィークだったので、

今日は『平尾誠二選手、中田英寿選手に共通した理論』というタイトルで

書いてみたいと思います。

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平尾誠二選手回顧録◆3◆

田中浩

平尾とは取材で顔を合わせることが

ほとんどだったから、

ラグビーの話をする機会が

一番多かった。

 

私自身、平尾と同じSOとして

ラグビーをプレーしていたこともあり、

どんなことを考えているかに興味があった。

 

そして、彼の理論を聞かされたときは、

目からうろこが落ちる思いだった。

 

神戸製鋼が日本選手権3連覇を果たした

翌日のことだったから、1991年1月。

 

平尾氏が亡くなった当日に

サンケイスポーツの追悼文でも

書かせてもらったが、

チームが神戸に戻る新幹線の中で、

平尾氏と4時間にわたってラグビー談義を交わした。

 

普通は、走っている味方に

ボールをパスする。

 

つまり「人にボールを合わせる」やり方だ。

 

しかし、神戸製鋼、

というより平尾氏の考え方は違った。

 

基本は、空いているスペースに

ボールを投げる。

そこに人が走り込んでいく。

 

「ボールの動きに人が合わせる」

というものになる。

 

これを戦術として拡大すると、

空いたスペースを突くためには

「時間」も重要な要素となる。

 

たとえば、あるスペースに1秒で

ボールと人が到達できれば

突破できるとしよう。

 

しかし、2秒かかったら

相手がそのスペースを埋めてしまうため、

攻撃が効果的でなくなってしまうとしたら、

突破を成功させるために

1秒でスペースを突く練習を繰り返すのだ。

 

神鋼7連覇支えた逆転の発想

「人に合わせて投げるのではなく

ボールの動きに人が合わせる!!」

 

「このタイミング、このコースで

ボールを動かせば抜けるというのならば、

まずボールをそう動かす。

そこに人が間に合わないのなら、

間に合わない人が悪い」

 

平尾氏はそう語っていた。

 

間に合うための作業を

徹底して突き詰めてきた上に、

神戸製鋼の7連覇は成り立っていた。

 

「華麗」と称される彼のステップもそうだ。

 

ステップとはディフェンスにくる相手を

「よける」ために使うと思っていたが、

平尾氏は「自分が走りたいコースにいる邪魔な相手をどかす」ために

ステップを踏んだ。

 

彼の走るコースはほとんどまっすぐ。

 

最短距離を突く進むため、

二の矢、三の矢のディフェンスが

なかなか届かなかった。

 

今から25年も前に聞かせてもらった、

先進的で鮮やかな逆転の発想。

 

平尾氏が「ミスターラグビー」と

たたえられたゆえんだ。

※2016年10月27日号、夕刊フジ紙面より引用

 

これを読めば、なるほど~と思った方も多いと思いますが、

中田英寿選手のキラーパスも平尾誠二選手のプレー同様、

「人に合わせてボールをパスするのではなく、

ボールの動きに人が合わせる」パスが

キラーパスだったと言えるのではないか。

 

そして、中田英寿選手のキラーパスは

あの角度に選手が追いつけば

得点のチャンスはかなり高くなり、

逆に、選手のスピードに合わせて角度を緩めれば、

パスはつながるかもしれないが

得点のチャンスは萎む。

 

だから中田英寿選手はあのキラーパスの角度を

緩めることをしなかった。

 

そして周りの日本選手にもっと走れ!と

鼓舞し続けてきた。

 

でも、あの当時の日本代表選手は

最初は中田英寿選手のキラーパスに、

中田英寿選手の求めるサッカーに

ついていこうと頑張っていたが、

試合をするにつれ

「ヒデさん(中田英寿さん)、僕ら頑張っても

この程度で、無理ですよ」と音を上げるようになって、

世界基準の中田英寿選手が孤立するようになった。

 

そのとき出た言葉がこれだ!

 

中田「自分が障害なら

代表辞退してもいい」

 

日本代表MF中田英寿(28=フィオレンティーナ)は7日、

自身の公式サイト上で

W杯アジア最終予選イラン、バーレーン戦を振り返り、

代表の現状に警鐘を鳴らした。

 

その上で、自らの存在が

チームの障害になるのなら

代表を辞退する覚悟を示すなど、

悲壮な決意で意識改革を唱えた。

 

クールな男が熱く訴えた。

 

バーレーン戦から8日。

MF中田が自身の公式サイト上で

過激な意見を述べた。

 

「俺(おれ)はただ純粋に

最終予選を勝ち抜きたい。

 

これが自分にとっての最後のチャンスだろう。

 

02年W杯の不完全燃焼を

最後に晴らしたい。

 

そんな自分が今の日本代表の

本当に障害となるのなら

辞退してもいい。

 

ただひとつ、

そこにドイツの道が

必ずあるというのならば…」

 

3月25日のイラン戦で

約1年ぶりに代表復帰。

 

2戦連続でフル出場を果たし

チームに貢献したが、

その一方で精神的な弱さを見せる

チームメートに対するイラ立ちは募った。

 

「海外組だ国内組だっていう言い方も

議論もばからしい。

それをあおる人にも問題はあるが、

本人たちが気にするのもよくない」。

 

「国内組」を中心とした控え選手が

ジーコ監督の起用法に不満を示す姿が

情けなかった。

 

「試合に出られなかったら

自分の実力不足。

 

そうじゃないと思ったら

まずは監督に理由を聞くべき。

 

もちろん監督のやることすべてが

正しいとは思わない。

 

でもそれに納得できないと思うなら、

まずは話をすべき」。

 

ドイツに懸ける熱い思い。

 

エースの心の訴えは

日本代表を変えるか。

 

いずれにせよ

大きな反響を呼ぶことに間違いない。

※2005年4月8日、スポーツニッポン紙面より

 

本田圭佑選手も、俺が、俺がではなくて、

中田英寿氏ぐらいのことを言って欲しいとは

僕は思いますけどね…。

 

そして驕りが見えていた本田圭佑選手の時期には

一度日本代表から外すべきと僕は言ったことがありますが、

驕りが消えてきた今の本田圭佑選手なら

僕は日本代表へ戻すべきとも思います。

 

本田圭佑選手はボールのキープ力もあるし、

試合も作れるから…。

 

ただ、ブラジルW杯では

対戦相手国から

「日本のサッカーは必ず本田圭佑選手を経由する」と見抜かれ、

そこを狙われたから、

もしロシアW杯に本田圭佑選手が選ばれプレーしたとしても、

常に本田圭佑選手へボールを集めないプレーも

大切になってくる。

 

そして、たとえば中田英寿選手も

キラーパスばかりを出してきたわけではなくて、

キラーパスが有効打(効果的)となるよう

いろいろなプレーも混ぜたからこそ

キラーパスが光ったとも言える。

 

だから現・日本代表監督のハリルホジッチ氏の

“縦に速いパス”だけに拘るサッカーは

愚の骨頂とも言えると僕は思っている。

いまの日本サッカー代表選手のレベルで

ワンパターンなサッカーで勝てるほど

世界は甘くないからね…。

 

ちょっと今日はまとまりのないブログになってしまいましたが、

今日はこの辺で~!

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